君がいたから 2
「今、風通し良い場所に
移動させるから深呼吸して 」
そこにいるの蓮なの…?
頭に酸素も回ってないから何が何だかわからない、
そんな酷い状態なのに、
この温もりと声はきっと蓮のもの…
苦しくても、辛くても、とにかく安心するの
いつでも弱い私を守ってきてくれた、大きな優しさが全身に伝わってきて、蓮に抱っこされているってわかる。
そんな蓮の声が頭の中を流れる中、
風通しの良い場所に移動させられて、
そっと地面に座らされる。
「結愛っ、吸入器もってきているから吸って 」
まだ、喋るどころか、視界もボヤてけいる、
頷くこともできない。
だけど、なんとか蓮の声に合わせて息をする。
そして、数分すると、
蓮の姿がはっきりと目に入ってきて、呼吸も楽になってきて、吸入器も口から離された。