君がいたから 2
「結愛、服上げて 」
診察室の椅子に座わると蓮は
聴診器を耳にかけてそう言った。
「嫌って言うのはなしだから 」
「…………」
やらないという手段はないみたいだから、
しぶしぶ服を上げる。
聴診器は痛くないからまだ我慢できるけど
この後の採血のことを考えるともう半泣き。
「はい、良いよ
次は採血するから腕まくって
今日は2本取るから頑張ろう?」
「嫌っ、グスン…なんで2本もやるの? 」
「アレルギーの検査もするから、たくさん血必要なの」
「む、無理… 酷い 」
いくら頭の中でやらないといけないって、
わかっていたとしても、大嫌いな採血を2本なんて地獄でしかない。