君がいたから 2

「結愛、服上げて 」

診察室の椅子に座わると蓮は
聴診器を耳にかけてそう言った。


「嫌って言うのはなしだから 」


「…………」


やらないという手段はないみたいだから、
しぶしぶ服を上げる。


聴診器は痛くないからまだ我慢できるけど

この後の採血のことを考えるともう半泣き。


「はい、良いよ
次は採血するから腕まくって
今日は2本取るから頑張ろう?」


「嫌っ、グスン…なんで2本もやるの? 」


「アレルギーの検査もするから、たくさん血必要なの」


「む、無理… 酷い 」


いくら頭の中でやらないといけないって、
わかっていたとしても、大嫌いな採血を2本なんて地獄でしかない。





< 67 / 138 >

この作品をシェア

pagetop