君がいたから 2

「まあ、その話は今度でいいや
蓮、俺が採血やっちゃうから、そのまま結愛のこと抱きしめたまま、椅子に座らせて 」


「わかりました。

結愛、すぐ終わるから大丈夫だよ 」


蓮に軽々と抱っこされて、そのまま椅子に…

身体をクネクネさせても、蓮の膝の上でガッチリ固定されていて動けない。


「グスン…やめて…怖い………ヒック 」


「結愛、俺がギューしているから
怖くないよ。落ちついて 」


蓮がギューしてくれていても、
針を刺される怖さはなくならないよ…
心臓がバクバクして、タラリとひ汗が落ちる感覚がする

なのに私の恐怖は関係なく、服の袖をまくられてしまう


「消毒するね。冷たいよ 」


「………グスン …いやぁー」


ヒンヤリとした脱脂綿が腕に当てられた。
そして、針まで視界に入ってきて、叫んでしまう。


「よしよし。少し我慢だよ 」

耳もとでささやいてくれる蓮…


「刺すよ。力抜いてね 」


「グスン………痛いよ 」


針が刺さると蓮の抑える力が強くなる。



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