君がいたから 2
「えらいよ。じゃあまだ検診終わってないから行こっか 」
「えっ、どこ行くの ?ここでいいのに 」
「歯科検診だよ。それは俺はできないからごめんね 」
一気に表情が曇って、逃げようとする。
俺はそんな結愛の腕をサッと掴んで抱き上げた。
「何もなければ診るだけだから、痛くないよ 」
「本当…? でも、怖い。グスン」
「本当。診てもらう間俺がずっと抱っこしていてあげるから頑張ろ? 」
問いかけるように言うと小さく頷いてくれた。
ここの病院は大きいから、歯医者も1階にある。
結愛は小柄だし小学生みたいだなと思いながら階段を降りた。
「グスン………蓮、今日は帰る。
やっぱり頑張れない 」
「ダメだよ 」
「嫌っ ヒック… 」
歯医者の文字が見えると、みるみるうちに目に涙がたまっていく結愛…
俺の知り合いの先生に頼んで病院嫌いのことも話したけど、ビックリされちゃうだろうな…