君がいたから 2
泣いている結愛をなでながら、歯医者の中に入る。
キィーなんて歯を削る機械の音が鳴ると結愛はさらに大声で泣いてしまって、俺の手の中から逃げようと動き出す。
「グスン………怖い、やだっ 」
「大丈夫。大丈夫。落ちつこう 」
この音俺も嫌だから気持ちはわかるけど、検査できるのか心配になってきた。
今日の朝、悠真に事情を話したらそのまま診察室にきて良いと言われた。
悠真とは俺と同い年の歯科医だ。
逃げ出されないように少し腕の力を強めて、から診察室に入った。
「悠真、いる? 」
「いるよ。この子が結愛ちゃん? 」
わんわん泣いている結愛のことを見て、そう言った。
「そうだよ。ごめんすごい泣いているけど、いつものことだから気にしないで 」
「でも、俺、相当怖がられているみたいだな
結愛ちゃん、俺、怖いことしないから少しこっち向いて 」
「……………」