先生がいてくれるなら①【完】

私だってちょっとぐらいは『可愛い女の子の後輩』とやらが欲しかったわけで……。


私の数研での存在意義もこれですっかり薄まってしまった気がする。



一年生の教室からほとんどの生徒が帰宅や部活見学でいなくなってしまったので、私たちは今日の勧誘は諦めて部室へ引き返す事にした。



「でも男子は何人か部室まで見学に来てくれてるし、一年生部員ゼロって言うのは無さそうだから、それだけでも収穫だよね」



葉澤先輩が、自らをも納得させるようにそう言った。


部員の皆さん、私は申し訳ない気持ちでいっぱいです……。


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