先生がいてくれるなら①【完】
私は部員のみんなが楽しそうに話をしているのを見るのが好きなので、話には入れない事を苦に思う事って実はあまり無い。
それに、数学の楽しさがよく分かってない私に気を遣われるより、私が話に入れなくてもこうやって楽しく数学談義をしてくれる方が嬉しいし。
ふと先生を見上げると、いつも見ている角度とは全く違う、先生の恐ろしいほど整った顔が私の目に飛び込んできて私は慌てて目を逸らした。
顔が熱いのは、いつもより部室に人が多いせいだよ、多分。