先生がいてくれるなら①【完】
準備室の奥は私は一度も足を踏み入れた事は無いけど、どうやら給湯室みたいになってるらしい。
しばらくするといつものコーヒーの良い香りが部屋の中に漂い始めた。
コーヒーの香りで癒やされながら、私は与えられた雑用を黙々とこなしていく。
全てのプリントを閉じ終えた頃、先生がコーヒーを手に奥から戻ってきた。
「飲む?」
「良いんですか? 嬉しいです」
「どうぞ」
「ありがとうございます」
いただきます、と小さく呟いて、そのとても良い香りを放つ琥珀色の液体を口に含んだ。
はぁ。
ほんと、美味しい。
先生のコーヒーを飲むようになってから、他のブラックコーヒーがほぼ飲めなくなった。
それぐらい先生の淹れるコーヒーは美味しい。