先生がいてくれるなら①【完】

「先生、今度コーヒーの淹れ方を教えて下さい」

「……嫌」

「えっ、何でですか!?」

「企業秘密だから」

「先生のケチ!」

「ダメなものはダメ」


ムッとして私が押し黙ると、先生は自分の机で仕事を始めてしまった。



うーん、美味しい。


先生の淹れるコーヒーは、たとえ冷めてもすごく美味しい。


先生は魔法使いなのかな。



──はぁ。



脳内でため息をついて、コーヒーを口に含んだ。


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