先生がいてくれるなら①【完】
「……あぶねぇっ」
誰かが後ろから抱きかかえるように支えてくれた事に気がついて目をゆっくり開けると、荒く呼吸をする悠斗の顔が真横から私を覗き込んでいた。
「──明莉、大丈夫か!?」
バランスを崩した私を階下から見かけて駆け上がってきてくれたのか、肩で大きく息をする悠斗の体の動きが私の背中に伝わって、私の呼吸も釣られて少しだけ上がった気がする。
「ゆ、悠斗……ありがと」
「こんなにたくさん一度に運ぶとか、明莉には無理に決まってんじゃんっ。ノートは落ちても良いけど、お前が落ちたらどーすんだよ!?」
「ごめん……」