先生がいてくれるなら①【完】
* * * * *


私と先生は、ただいまショッピングモールの中を歩いている所。


私は先生の少し斜め後ろを、先生の背中を追いかけるような感じで歩いている。


開店直後なのでまだ人通りはとても少ない。



ところで先生は何のために私をここに連れてきたんだろう?



昨晩から今の今までずっとその理由を考えていたけど、さっぱり分からない。


でも、振り返りもせずただ目的地に向かおうとする先生の背中に声をかける気は起きず、私はただ黙って先生の斜め後ろを歩いた。


まるで私なんか連れて来てないみたいな風にも感じられて、私はこっそりため息をつく。


──ま、そのうち分かるか。


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