先生がいてくれるなら①【完】
「オレンジジュース無くてごめんなー?」
「ん? あっ、先生、いまさり気なく私のことバカにしたでしょ!?」
「ははは、そう言う時だけ反応早いな!」
「もうっ!」
「で、何飲む? アイスコーヒーで良い?」
「は、はい、何でも大丈夫ですっ」
私の返事を聞いて、先生はキッチンへ向かった。
私はと言うと、やっぱり高級そうなソファに座らせてもらい部屋をぐるっと見回してみる。
家具はあるけどそれ以外はほとんど何も無いって言うか、生活感がゼロ的な。
広すぎるからかな、殺風景に感じるのは。
「……高級だけど殺風景って……意味わからないんだけど……」
「──なにひとりでブツブツ言ってるんだ? はい、どうぞ。ガムシロップとミルク、いる?」
「あ、無くても大丈夫です。いただきまーす」
アイスコーヒーをひとくち口に含む。
「……」
「え。なになに。どうした?」
「……」
「は? ちょっと待て、何でフリーズしてる?」
私の反応がおかしくて、先生が焦り出す。