先生がいてくれるなら①【完】
「えっと、何か変な味でも……」
「……おっ」
「お、???」
「美味しすぎるっっっ!!!」
「──はぁっ!?」
「先生、このアイスコーヒー、美味しすぎるんですけどっ!?」
私がコーヒーに感動して叫ぶと、先生はなぜか私の隣で脱力していた。
「お、お前なぁ……。なんか変な味でもするのかと思って、焦っただろ。ばか!」
先生はポカリと私の頭を優しく叩いた。
「す、すみません、だって、今まで飲んだことの無い美味しさだったもので、つい……」
「美味しかったのなら良かった」
先生は満足そうにそう言って、今日買った電子レンジの箱を開け始めた。
「ねぇねぇ、先生、このアイスコーヒーも先生が作ったんですか?」
「あー、それな、氷出しコーヒー。うまいだろ」
「こおり???」
「お湯じゃなくて、氷でゆっくり抽出するやり方」
「ふうん。そんなやり方があるんですね、知らなかったです」