先生がいてくれるなら①【完】
恐れていた事が起きた。
三連休明け、月曜日の昼休み。
私は悠斗に引きずられるようにひとけの少ない校舎裏に来ていた。
「ちょ、悠斗、離してってば。話なら教室でもいいでしょ?」
「誰かに聞かれたら困るかも知れないのはそっちなんだけど」
「えっ? ちょっと待って、何の話?」
悠斗の態度も表情も、明らかに怒っているようだった。
「明莉、金曜日、ショッピングモールに行っただろ」
──どくんっっっ……!!
「そ、それが、どうかしたの?」
「……俺も、行ってたんだよ」