先生がいてくれるなら①【完】
あの状況を見られていたとは思わなかったので、私の心臓は破裂寸前だった。
でもでも、とにかく、ここは絶対にバレないように乗り切るしか無い!
「あ、あ、あ、あれはっ、そのっ、……せ、──えっと……っ」
もう何をどう説明すれば良いのか分からなくなって、あわあわと焦るばかり。
「──明莉、あの年上男と付き合ってるのか?」
「つ、付き合ってないっ!!!」
「──ホントに?」
「ホント、ホント!!!」
私がブンブンと首を縦に振ると、悠斗は大きなため息をついて、掴んでいた私の手首を引っ張り、私を抱き寄せた。