先生がいてくれるなら①【完】
私が顔を隠してしまったので、先生は私が赤面しているのを隠したのだと思ったようだ。
両手で顔を覆っていた私の右手に、先生の手が触れたのが分かった。
やっぱり、とても冷たい手。
触れた瞬間、ビクッとしてしまう。
先生に右手を掴まれ、やすやすと剥がされてしまった。
私はもう片方の手で顔を隠して先生と反対の方を向いた。
先生の顔が思ったよりも近くて、心臓の動きが早くなる。
顔が、なぜか、熱い。
「付き合ってないけど好き、とか……?」
「ち、ちがいます……っ」
関係ないと言いながら、しつこく追求するのは、なんで──?
先生は私の右手を掴んだまま、私の顔を覗き込む。
先生の声が、態度が、怒りを示す。