先生がいてくれるなら①【完】
昨夜、泣きすぎた上に一睡も出来なかった私は、よほどひどい顔をしていたのだろう。
朝、美夜ちゃんに会うなり「うわぁ……」って、思いっきりどん引きされた。
「明莉、何かあったの?」
「うん、あのね……」
相手が相手だけに美夜ちゃんにどこまで言って良いのか、本当に迷う。
でも親友に隠し事なんて、ホントはすごく嫌なんだよね。
どうすれば良いんだろう──。
私はとりあえず相手が数学の藤野先生だと言うことだけを伏せて、少しずつ話すことにした。
「私さぁ、好きな人が出来た……」