先生がいてくれるなら①【完】
「ねーねー、どうなの!? どんな人なの!? 明莉の好きになった人」
お弁当の時間、美夜ちゃんに強引に屋上に連れて来られ、私は美夜ちゃんの質問攻めにあっている最中だ。
「うーん」
「デートしたんでしょ!? 他は!?」
「うーん…」
「明莉、唸ってないで教えてよ~」
いや、何から話せばいいのか……大まかな話は朝しちゃったし、それ以上の情報となると先生の身バレにも繋がりかねないからなぁ。
「どこで知り合ったの!?」
「えっと、病院……?」
間違いではない、よね。
「お兄さんのお見舞いの時かぁ! それで、どんな人!?」
「えっと、イ、イケメン……?」
「うわー、明莉、面食い!! で、どこでデートしたの!?」
「えっと、ショッピングモール……?」
「──ねぇ明莉。なんで全部疑問形?」
「いやぁ、これと言って報告出来るような内容が無くて……」
私があまりにも情報を小出しにするので、美夜ちゃんがキレ気味になってる。