先生がいてくれるなら①【完】
「ね、明莉~、私も今度その人に会ってみたいなぁ~」
おねだりするように上目遣いで可愛く迫る美夜ちゃん。
うっ、可愛い……私が男なら今すぐ美夜ちゃんの足下に跪いてプロポーズするわ!
──ってか、私の好きな人、美夜ちゃんももう既に毎日会ってるから、数学の授業で……と言えるはずもなく。
「う゛……ごめん、まだ、無理……」
項垂れる私の背中を、美夜ちゃんはまた優しくさすってくれた。
「どんな事情があるのか知らないけど、いつか私にも紹介してね?」
「……うん」
「出来れば早いほうが嬉しいけど」
そう言って美夜ちゃんはにっこりと可愛く笑った。
ごめんね美夜ちゃん──。
いつか──出来るだけ早めに報告出来るよう、私の心の中をちゃんと整理するから、待っててね。