先生がいてくれるなら①【完】
しかしそんな俺の心のツッコミも虚しく、あいつらは勉強の事なんか1ミリも思い出したりしないんだろうな。
評価出来るところがあるとすれば、倉林が立花をデートに誘う事を思いつかなかった事ぐらいか。
──などと考えていて、俺はふと、思いついてはいけない事を思いついてしまった。
28日の病院からの帰り、俺は立花に翌日の予定を空けておくように伝える。
訝しげな表情をしたので、断る権利は無いと言うと、立花はしぶしぶ了承した。
いや、断れよ。
と矛盾するツッコミを脳内で入れながら、俺は満足するのだった。
──間違ってると分かっていても、立花をいじめるのをやめられそうにない。