先生がいてくれるなら①【完】

そして、買い物当日。


立花は戸惑いながら俺の斜め後ろをついて来る。



──なんで斜め後ろ?

普通、隣だろ。


そんなに俺と一緒に歩くのが嫌か?


思わずムッとしたが、後でまた何か仕掛けてやろうと、むずむずと悪戯心がこみ上げてきた。


さて、何を仕掛けるかな。




最初の目的だった文房具屋での用事を終えてフラフラと歩いていると、ふとある店の服が目に入った。


──立花に似合いそうな服だな。



ハンガーに掛かっているワンピースを手に取り、立花の前にかざす。


うん。


他の物に目を移すと、この店の服は立花に似合いそうなものが多く、いくつか似合いそうなのを手に取り「試着出来ますよー」と愛想の良い店員に持っていた服を全て手渡して立花を試着室へと押し込んだ。


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