先生がいてくれるなら①【完】
「もしかしてラブレター!? 誰から、誰から!?」
「……そんなんじゃないよ、多分」
「いいから、早く読んでみてっ」
「……」
美夜ちゃん、目を輝かせているところ悪いんだけど、これはそんなロマンチックな手紙じゃないと思うんだ。
そもそも愛の告白をするって言うのに、こんなノートを切り取って折りたたんだだけの紙で呼び出すとか、そんな事する人とはお付き合い出来そうにないよ……。
そっとため息をつきながら折りたたまれた紙を開く。
「……」
中の文言を確認して、私は大きなため息をついた。
「ね、何て書いてあったの?」
ドキドキワクワクな美夜ちゃんには本当に申し訳ないけど、これは本当に見せたくない。
美夜ちゃんがどんな顔をするか、もう分かってるから。
私は苦笑いして首を横に振った。
「美夜ちゃん、あのね……」
美夜ちゃんの表情がサッと変わる。
「──明莉、見せて」
私が首を横に振ると、美夜ちゃんが私の手から紙切れを抜き取った。
「……やっぱり。私も一緒に行く」
「だめだよ美夜ちゃん。私ひとりで大丈夫だから」
「大丈夫じゃない。分かってるでしょ? 私は見て見ぬふりは出来ないよ」
「……ごめん」
美夜ちゃんが私の肩を抱き寄せて、大丈夫、私がついてると言うように背中をポンポンと宥めるように優しく叩いた。