先生がいてくれるなら①【完】
* * * * *

文化祭の準備が本格的に始まった。



ステージ発表のダンスの振り付けも出来上がり、数人ずつのグループになって振り付けを練習する。


衣装は手芸部が中心となり、手のあいている女子と手先の器用な男子も手伝って作り始めた。



コスプレ衣装も同時進行なので、衣装づくりが一番大変そうだ。


ダンスの練習があるので放課後は無理だけど、私も衣装を持ち帰って少しずつ仕上げている。



「ふわぁ~……」



夜遅くまで衣装縫いをしているせいで、すっかり寝不足。


つい、あくびが出てしまう。


「うー、だめだめ。今日は一限目から数学だし、気合い入れなきゃ」


そう呟きながら、朝の掃除をすべく部室へと向かう。


ふわぁ~……


気合いを入れても止まらないあくび。


駄目だ、このままでは一限目のジキル博士に睨まれ、放課後にハイド氏に抹殺される……。


< 213 / 455 >

この作品をシェア

pagetop