先生がいてくれるなら①【完】
「お前、こんなんで踊ってたの?」
「そうですけど、……何か?」
「ダンス衣装も子供服だったか……」
はぁ、と大きなため息をつく先生。
「違いますっ。それに、模擬店だって、あれはコスプレで……」
「こんな格好して、変態に襲われたらどうすんの?」
──は???
「いやいや、変態って……高校の文化祭ですよ? そんなの来るわけ……」
ないじゃないですか、と続けようとした私に先生が眼鏡を外してスッと近づき、私の腰を抱き寄せた。
「……っ、ちょっと、せ、先生!?」
急な展開に私の頭は追いつかず、ただただ顔だけが赤くなる。
先生は左手で私の腰を抱き寄せたまま右手の指の背で私の頬から首にかけてスーッとなぞり、顔を近づけて首筋と耳元にフッと息を吹きかけた。
「……ひゃっっっ!!」
私はびっくりして、思わず変な声をだしてしまう。