先生がいてくれるなら①【完】

「──な、何、いまの?」



意味が分からない。


しかも、最後、怒ってたし。


いや……最初から怒ってたか。


でも、なんで私が怒られなきゃならないわけ?


わ、私の気も知らないで……っ!!



私はのろのろと着替えながら、先生のさっきの言葉と行動を反芻する。


もたもたしながらも、なんとか着替え終たところで……



──ちょっと待って。



思い出したら一気に恥ずかしくてなってきて、私はその場にしゃがみ込んだ。


な、なんで先生があんな事──!?



──コンコン



準備室の扉がノックされる。


「っ、は、はいっ」


我にかえって、急いで立ち上がり、扉を開けた。


「着替えた?」


授業の時と違わない冷静沈着で無表情な先生が立っている。




私は先生に会釈だけして、無言で部室へ駆け込んだ。


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