先生がいてくれるなら①【完】

やっと昼休憩の時間になったので、私はクラスメイト(特に悠斗)を振り切って、お弁当を持って数学準備室めがけて走った。


クラスの人と食べても良いんだけど上着を羽織ったりはさせてくれそうにないし、何より、ほんの少しの時間でいいから先生と一緒にいたかかったから。


準備室の扉をノックすると「はい」と返事があったので、私は何も告げずに大急ぎで扉を開けて中に入った。



「ねぇ。俺、どうぞとは言ってないんだけど」



先生は不満そうな顔で振り返った。


「すみません……かくまって下さい……」

「誰から?」

「──クラスのみんなから」

「……なんで?」

「うっ……視線が痛くて……」

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