先生がいてくれるなら①【完】
私は椅子に座って、早速お弁当の包みを開けて食べ始めた。
「先生は昼食とらないんですか?」
「めんどくさいから食べない」
「え? いつも食べないんですか?」
「……だいたいこれで済ませてる」
そう言って、ビスケットタイプの栄養補助食品を口に放り込む。
「栄養偏っちゃいますよ。朝とか夜はどうしてるんですか?」
「……多少食べない時があっても、死んだりしない」
「えーっ! ダメですよ先生、ちゃんと食べないと!」
私が抗議すると、先生は眼鏡を外して机に置き、キャスター付きの椅子をスーッと滑らせて私の隣に来た。