先生がいてくれるなら①【完】
「んじゃ、お前のちょうだい」
そう言って、私の手を掴んで、私が今まさにお箸でつまんで食べようとしていた、半分食べかけの卵焼きをパクリと食べた。
「~~~っ!! せ、せんせ、それ、私の卵焼きっ!!!」
いや、そうじゃなくて!
えっと、一応お箸で切って食べてるとは言え、私が口をつけたお箸で、その……
か、か、間接……キ……ス……!
「……ん、うまい」
「……っ、何するんですか……っ」
「お前がちゃんと食べろっつったから」
「もうっ、私のを食べろとは言ってませんっ」
「……お前、顔赤いぞ。熱中症か?」
「っっっ! 先生のバカっ!!」