先生がいてくれるなら①【完】
「お前さ、午後からのスケジュールって、どうなってんの?」
「えっと……午後からは教室で、コスプレ喫茶のウエイトレスです」
「午後、全部?」
「はい」
「それって、早めに終われない?」
「なんでですか?」
「いや、数研の最終シフトは俺が入る予定だったんだけど、見回りの仕事が入ったから、店番をお前に代わってもらおうかと思って」
ああ、そう言えば今日の店番シフトは先生も入るって書いてあったな。
「うーん、分かりました。良いですよ。3時からですよね?」
「そう。……制服に着替えて来いよ」
「はい、分かりました」
部活のシフトに入れるのは、正直言って助かる。
この服をちょっとでも早く脱いで着替えたい。
クラスのみんなには申し訳ないけど、部活のシフトを優先させてもらおう。
私は空になったお弁当箱を再び胸の前に抱え、学年控え室になっている第3会議室に急いだ。