先生がいてくれるなら①【完】
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文化祭直前の、ある日のこと。
俺は5組の担任の福原先生に頼まれて、進捗具合を確認しに教室へ向かった。
準備はほぼ終わっているらしく、後は飾り付けや食材のチェックだけだと言う話だったので、気軽に覗くだけのつもりだったのだが──。
目の前にとんでもない光景が繰り広げられていて、俺は目眩がした。
なんだコレ──?
ヒラヒラフリフリしてるくせに、全体的にやけに布の部分が少ないエロい服を着た立花が、ごちゃごちゃゴテゴテとよく分からんものが付いてる変な服を着た男──倉林に、両手を掴まれてバンザイさせられて真っ赤になってるとか、どんな地獄絵図なの、これ?
こんな事ならもっと企画から顔出して、もっと口出ししておけば良かった──と思ったが、もう後の祭りだ。
──そうだ、これは、子供服だ。
子供服だと思えば、この布の少なさも多少は理解出来る。
きっとそうだ……。
──って、んなワケねーだろ。
今日の事はもう忘れよう……。
そして、文化祭の事も、忘れよう……。
俺、やっぱり文化祭キライだわ。