先生がいてくれるなら①【完】

* * * * *

文化祭一日目、らしい。



そう言えば立花はステージでの発表があると言ってたな、と思い出してタイムテーブルを見たが、ちょうど終わるぐらいの時間になっていた。


せっかくだから見に行けば良かったかな。



もったいない事をしたなと思っていると、バタバタと走る音がして、隣の数研の部室から話し声がする。


あぁ、ステージの終わった立花が店番のために走ってきたんだな。


ちょっと部室の様子でも見ようかと準備室から出てみると……



驚くべき短さのスカートをはいた立花がいた。


──は? 何それ。


「……おい、立花」


自分でも驚くぐらいの低い声で立花を呼び止め、着替えて来ると言って立ち去ろうとする立花を捕まえて強引に準備室に引っ張り込んだ。


抗議する立花を睨みながら「なにその衣装。パンツ見えそうなんだけど」と言い放ち「こんなんで踊ってたの?」と尋ねると、それが何か? みたいな態度をとる立花──。



──プツン。



俺の中で何かが盛大にはじける音がした。


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