先生がいてくれるなら①【完】
「こんな格好して、変態に襲われたらどうすんの?」
そんなの来ない、と言う立花。
どんだけ危機感無いんだ、お前は……。
眼鏡を外して立花に近づき、腰に手を回してグイッと抱き寄せた。
驚いて目を見開いたあとすぐに真っ赤に染まる頬と首を、指の背でゆっくりなぞり、顔を近づけて彼女の細い首筋にフッと息を吹きかけながら耳元まで移動する。
お子様には刺激が強かったのか、驚いたのと感じたのが混じったような可愛い声を上げたが、そんな事で許してやれるほど俺は心が広くない。
「変態が来たら、どうすんの?って、聞いてんの」
わざと息がかかるように耳元で囁くように声を出して、立花の反応を楽しむ。
強情に「変態なんか来ない」と言い張るのが癪に障り、もっといじめたくなった。
コイツ、男、ナメすぎ……。
こんな格好でウロつかれたら誰だって思わず目で追うし、手を出したくなるヤツだっているかも知れない。
──そう、こんな風に……。