先生がいてくれるなら①【完】
俺は立花の耳朶に口づけて唇で優しく食んだ。
ふわりと漂う立花の香りに、クラクラする……。
その香りに誘われて口づけていた耳朶に舌を這わそうとした時──
「……っ、先生、やめて下さい……っ、あの、私、きっと汗臭いし……っ」
「──気にする所、そこ……?」
俺は立花から離れて、溜め息を吐いた。
こいつ、本格的にバカなんじゃないのか?
ってか、危険すぎる。色んな意味で。
「部室に行ってくるから、その間にここで着替えとけっ」
そう言い捨てて、立花を準備室に残して俺は廊下へ出た。
──俺も、色々ダメだ、ちょっと頭冷やそう……。