先生がいてくれるなら①【完】
俺は弁当箱の中身をまじまじと覗き込んだ。
彩りも綺麗だし、何よりどれも美味しそうだ。
登校が早いのに朝からこんな弁当を作れるとか、コイツ侮れない……。
あまりにも俺が弁当を覗き込むので、狙ってると思ったらしい。
うん、まぁ、正直言ってちょっと他のも食べてみたかったけど。
結局「好きなだけどうぞ」と言うので、一番美味しそうなハンバーグを指さした。
お箸を手渡そうとして来る立花を見て、俺のいたずら心が刺激され──
「食べさせてくれるんじゃないの? はい、あ~んっ」
固まる立花を急かしておかずを口に入れさた。
うん、予想通り美味しい。
次はこれ、と言って口を開けると──立花が顔を真っ赤にさせて横を向いてしまった。