先生がいてくれるなら①【完】

のろのろと校庭へ足を向けると、もうそろそろ点火の時間らしく大勢の生徒が仕掛け花火に注目している。


この中から目当ての人間を探し出すのは、なかなか難しいだろうな。


校庭をぐるりと見回す。



立花はいつも同じクラスの女子、滝川と一緒にいる。


あの二人なら、こう言うイベントの時はあまり目立たない場所に行きそうだ。


と言うことは、恐らく後ろの端あたりかな、と当たりを付けて、そちらへ足を向けた。



しばらくその辺りを見回すと、──いた。



やはり滝川と二人で楽しそうに話しながら点火を待っている。


その隣に倉林がいない事に、心底安堵した。


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