先生がいてくれるなら①【完】

「なんで、私……? 悠斗の周りには私なんかよりずっと可愛い子とか綺麗な子、いっぱいいるじゃん」

「俺は、お前じゃなきゃ意味無いの。明莉が好きだから」

「……っ、」


「あー、言えて、すっきりしたー!」


何だかいつもよりずっと爽やかな表情をしている悠斗に、私は少しドキッとした。


「ねぇ、悠斗、本気……なの?」

「ん? あったり前だろ。俺、ふざけてるように見えた? ショックだわー」


そう言ってわざとらしく笑う。


きっと、私に気負わせないようにするための気遣いなんだろう。


でも。

悠斗ほどの人気者が私を好きで付き合いたいと思ってくれるような何かが私にあるとは、私にはどうしても思えない。

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