先生がいてくれるなら①【完】
──あぁそうだ。告白、と言えば。
美夜ちゃんにはまだ悠斗からの告白を報告してなかった。
だって、すぐに誰かに言っちゃうって……いくら親友とは言え、真剣に私に向き合ってくれた人に対して少し失礼な気がしたから。
でもやっぱり、悠斗との事も美夜ちゃんには話しておきたい。
「あのさ、もうひとつ話があって。実はね、この前、悠斗に……告白されたんだ……」
「えっ、……やっと!?」
「えっ?」
「いやいや、倉林君、遅すぎるでしょ。ってか明莉。倉林君が明莉のこと好きだって気付いて無かったとか言わないよね!?」
「えっ、えっと……」
私が言い淀むと美夜ちゃんは大きな溜め息を吐いて、呆れたように私を見つめた。
「誰がどう見ても、一年生の時から明莉の事が好きでしょ、あれは。まさか本当に気付いてなかった?」
美夜ちゃんにそう言われると、本当につらい。
私は美夜ちゃんの問いに、ゆっくりと首を横に振った。