先生がいてくれるなら①【完】
「あー、ですよね……」
「ですよね、じゃない。まあ私立文系の大学ならコレで問題ないから、まぁいいよ」
「あっ。えっと、じゃあもし私が理系に転向するってなったら、やっぱりこのままじゃマズいですよね?」
「そりゃマズいに決まってるだろ」
「う~」
私が唸っていると、先生が「どうした?」と顔を覗き込んだ。
「あの、私……」
何て切り出そうかと考えていると、先生は立ち上がって自分の机に行き、何かを取り出した。
「アイスコーヒー飲む?」
ボトルを私に見えるようにかざして尋ねる。
「えっ、でもそれ、先生が飲む分ですよね? 良いんですか?」
「良いよ」
そう言ってボトルからカップにコーヒーを注いで渡してくれた。
「学校だから氷は無いけど、まだちゃんと冷たいから」
「ありがとうございます、いただきます」