先生がいてくれるなら①【完】
「最終的には医療系の仕事に就きたいなって思って。
医療系で、私にも出来ることって何だろうって考えて。
それで……臨床検査学科に行きたいなと思うんです。
……先生はどう思いますか?」
私はドキドキしながら先生の答えを待つ。
「……臨床検査技師、か」
「はい」
「良いと思う。ただ、受験科目に理数科目が必須になるから、今のままの成績ではダメだけどな」
「はい、ですよね」
「まだ具体的には決めてないんだろ?」
「はい、そこまではまだ」
「じゃ、どの大学にするかはまた追々考えて行こう。俺も協力するし」
「ありがとうございます!」
無謀かも知れない私の決意を、笑わずに真剣に聞いてくれた先生。
ただそれだけの事が、とても嬉しい。