先生がいてくれるなら①【完】
「あ、そうだ、立花。夏休みの部活の事だけど……」
そう言えば、部活のことをすっかり忘れていた。
「毎週月・水曜日は集まるらしいから、お前も予定があいてれば顔出せ。全員理系だから、色々聞けると思うし」
「分かりました」
「あと、俺が学校に居る日は部室は開放してるから、勉強しに来ていいぞ」
「……それって、『来い』って事ですよね」
「ははは、ご名答」
さすが、暴君の名にふさわしき横暴さ……。
まぁいいか。
病院からのお迎えも無くなっちゃったし、夏休みになっちゃったし、先生とはもう2学期の授業まで会えないと思っていたから、夏休み中も会えるのならそれはそれでちょっと……いや、かなり嬉しい。
──ようやく、私の夏休みが始まった。