先生がいてくれるなら①【完】

4月も下旬になると日が沈むのもずいぶん遅くなるが、さすがに外はもう真っ暗だった。


「もう9時前かぁ……バス、何分だったかなぁ」


腕時計を見ながら、バス停へと向かおうと病院の敷地の出口付近にさしかかった時、病院の駐車場から出て来たと思われる車がスッと私の右側に止まった。


助手席側の窓が開けられる。


不審に思って少し警戒して運転席を見ると、見たことも無い若い男性だった。



──新手のナンパか、それともストーカー??



「……5組の立花じゃないのか?」



どうして私のクラスと名前を知っているんだろう?


やっぱりストーカー!?



……これって、逃げた方が良いよね!?


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