先生がいてくれるなら①【完】
立花と話をするのはなぜかよく分からないが、なかなか楽しい。
内容自体は至ってどうでも良い事ばかりなのだが。
一体何がどうなってそう思えるのか、自分でも皆目分からない。
しかし楽しいのは紛れもない事実で──。
しばらくすると、あの懐かしい海が見えてきた。
立花も海が見える事に気づき、目が輝き始める。
学校ではあれだけ死んだような目だったのに……現金なヤツめ。
まぁでも、こいつはまだ高校生だもんなぁ、夏休みが勉強だけで潰れるなんて悲しいと思っていたに違いない。
俺の高校時代なんかは、勉強以外はほとんど何もしてなかった。
他に何も興味が無かったから問題なかったけど……それが普通じゃない事ぐらいは俺にだって分かってる。