先生がいてくれるなら①【完】
しかしまだ慌てふためく立花を見ると、どうしてもちょっとだけいじめたくなってしまい「置いて帰る所だった」なんて意地悪な言葉を投げかけると、立花の顔がみるみる驚愕の表情に変わる。
いやいや、確かにいじめる俺もどうかと思うけど、コイツの表情もどうかと思う。
……面白すぎるだろ。
俺が爆笑してると、後ろからリョウさんの声が聞こえ肩に手が置かれる。
あぁ、リョウさんは変わってないな。
「久しぶりに顔出したと思ったら珍しく女の子連れてるなんて、天変地異の前触れか?」
そう言われて初めて気付いたが、ここに “誰か” を連れて来たいと思ったのは本当に初めてだった。