先生がいてくれるなら①【完】

立花にはここを知っていて貰いたかった、そんな気がする。


だけど、そんな気持ちを悟られるのが気恥ずかしくて立花の事を「俺の教え子」とだけ、素っ気なく紹介した。


でもこれは多分リョウさんには逆効果だったと思う。


彼は俺の性格を、間違いなく俺の親以上に知り尽くしている。


これが照れ隠し以外の何物でもない事に気付いているだろう。



案の定、芝居がかった言葉を投げかけられて弄られた。


──まぁ立花は気付いてないから良いけど。



ユキさんにも全く同じリアクションで弄られたのには、夫婦の絆と言うか、仲の良さを見せつけられて閉口した。


やっぱり俺の理想の二人だなぁ、と改めて思う。


実の親よりもずっと俺のことを分かってくれていて、俺も心から二人を尊敬している。


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