先生がいてくれるなら①【完】
「せ、先生。近い、です」
「うん、近くに座ったからね」
「……すみません、あと二問なので、ちょっと離れててもらえると助かるのですが」
「うん、却下」
「~~~っ」
先生の方を見ると、にっこりと笑う先生の顔がすぐそばにある。
私はもうそれたけで、心臓が壊れそうなほど速くなって、顔に熱が集まるのが分かった。
距離が近すぎて、心臓のドキドキが先生にきこえてしまうんじゃないかと、私は気が気じゃ無い。
思わず顔を背けると先生は「あと二問でしょ、早く終わらせて」と、人差し指でノートをトントンと叩く。
「これ終わったら、新しい課題やるから」