先生がいてくれるなら①【完】

浴衣で、夏祭りで、恋人繋ぎで、……私はこのデートのようなシチュエーションに脳味噌の処理が追いつかなくなってしまって、ひとりであたふたと焦りまくった。


「ん?」


意地悪そうな顔で覗き込まれ、私はますます顔が熱くなって、もう俯くしかない。



「ははは、お前、ホント面白いなぁ」


そう言って笑う先生。


「……っ、先生のバカっ」


先生は繋いでいない方の手で私の頭をふわっと優しく撫でた。


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