先生がいてくれるなら①【完】
先生は私の手を取ってシートに座らせてくれた。
こう言う仕草を嫌み無く出来る先生は、やっぱり大人の男性なんだなって実感する。
いや、違うか。
大人の男性なら誰でもが出来るってわけでも無いかも。
私はぼんやりとそんな事を考えたけど、ふと、隣に座った先生との距離がとても近い事に気づき、私の心臓が再びうるさく騒ぎ出した。
近い、って言うか……
先生は私のすぐ後ろに手をついて座っているので、私の右肩の後ろに先生の左肩があって……ほぼ触れてます……あのこれって近すぎませんか?
さすがにこんなに近いと私は先生の方に顔を向ける事が出来なくて、ただただ俯くだけ……。
どうしよう……。
花火が始まるまで、顔を上げられそうに無いよ。