先生がいてくれるなら①【完】

「……」


私が意を決して先生に話題を振ると、先生は黙り込んで手で口元を覆い、顔を背けてしまった。



あれ。


私、何か変な事言ったかな。


率直な感想を述べただけなんだけど。


「お、おまえ……急になにを……」

「え、だって、まだ言ってなかったし……」

「う、うん……そう、ありがとう……」


先生は口元を覆ったまま私と目を合わせる事無くしばらく黙ったままだった。


私は先生の浴衣の袖をツンツンと引っ張って「先生、私何か変な事言いました?」と聞くと、先生は「いや……」と言った後もしばらく何も答えてくれなかった。


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