先生がいてくれるなら①【完】

心臓がこれ以上無いほど激しく暴れ出して、こんな風に密着していたら先生に気付かれてしまうんじゃないかと気が気じゃ無かった。



でもそんな心配は無用で、ヒューッと言う音の後しばらくすると花火が夜空に舞い上がり、大きな音と共に明るく美しい大輪の花が暗がりをまばゆく照らす。



打ち上がった時の音が予想以上に大きくて思わず身体がビクッとなると、先生がクスリと笑うのが分かった。


くっつけたままだった頭を少し離して「迫力ある音だね」と耳元で話しかける。


花火の大きな音にもびっくりしたけど、先生の色っぽい声の方がもっとびっくりしてます、先生……。


一度離した頭を再びコツンとくっつけて、夜空を見上げる先生。



し、心臓が……これ以上ドキドキしたら、ほんとに壊れちゃいそう……。



お互いの体重を預け合って見る花火は今まで見たどんな花火よりもずっと美しくて、私は多分一生この時のこの幸せな時間を忘れないと思う──。




こんな幸せな時間がずっと続いてくれたら良いのにな───



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