先生がいてくれるなら①【完】
夏休みも半分以上が過ぎた、ある土曜日の午後の事。
今日も、とにかく暑い。
立花もさすがに観念して部室の冷房をつけ、いま課題に取り組んでいる所だ。
どこまで進んだかな。
今日はこの後に予定があるから、そろそろ切り上げさせるか。
部室へ行くと、立花は思ったよりも頑張って課題をやっていて、ご褒美を用意しておいて良かったなと思う。
この間海に行ったぐらいで、後はほとんど学校で勉強だったもんなぁ。
えらいえらい。
と言うわけで、ご褒美を書いた紙を手渡した。
夏祭り、花火──。
立花の嬉しそうな顔に、俺も嬉しくなる。
「浴衣でおいで」と言って、部室を後にした。